着物を着た時のマナー・作法

着物を着た時の基本的なマナーや振舞い方を解説しています。
着付けだけではなく、伝統的な「和のしぐさ」を身につけることで、日本人女性が持つ内面の美しさが引き立ちます。
着付け教室で、より詳しい内容はお学びいただけます。

玄関での挨拶の仕方

  1. インターホンを押し、名前を告げて戸を開け招かれましたら、コートなどの防寒着を脱ぎます。
  2. 玄関へ一歩入り笑顔で「こんにちは」と立礼します。
  3. 「どうぞ、おあがり下さい」と言われてから「失礼いたします」又は「おじゃまします」と言って正面を向いて上がります。

脱いだ履物のなおし方

  1. 出迎えて頂いた方に背をむけないように、履き物に向かって跪座の姿勢で(つま先立ちでかかとに腰をおろし)抜いた履物の向きをつま先を外に向けて揃えて、すみの方に少し移します。

和室でのおじぎの仕方

  1. 背筋をピンと伸ばし正しい姿勢で正座をし両手の指先をそろえて両膝の上に置き、相手に視線を合わせ挨拶の言葉を述べてから上体を腰から倒しお辞儀をします。
  2. 戻す時はゆっくり優雅に上体を起こします。

歩き方(和室)

  1. 上体をまっすぐ、あごを引き気味に背筋を伸ばし、肩の力を軽く抜き、両手は軽く股に指を揃えて添わせます。
  2. ヘリを踏まないように自然な歩幅で裾がみだれないよう、すり足で歩きます。

座り方、座っている姿勢

  1. 左足を後ろに半足引きます。
  2. 両膝を曲げて背筋をピンと伸ばし、腰をゆっくりおとし左膝を畳みにつけ右足を引きながら両足を揃え腰をいったん踵(かかと)の上におとし跪座の姿勢になり、居づまいを正します。
    しびれないように両足親指を重ねて時々上下を変えます。もし、しびれてしまった時には跪座の姿勢になって直します。
  3. 膝が開かないように気をつけ手は股の上に指を揃えて八の字に置きます。

立ち方、立っている姿勢

  1. 腰を浮かし両踵(かかと)を揃えて跪座(きざ)になり右足を半歩前に踏み出し、腰を静かに上げて立ち上がります。
  2. 後ろの足を前に運びます。
  3. 両足を揃えます。
  4. 上体はまっすぐ伸ばし、あごを引きます。手は指先を揃え、脇よりやや前寄りに下げます。視線は前方を見ます。

手土産の渡し方

  1. 手土産は自分から見て下座側の横に置き挨拶をします。
  2. 風呂敷から取り出します。(風呂敷は軽くたたんで脇に置きます)
    いったん正面を自分の方に向けて前に置き、右回りに先方の正面に向きを変えて口上を述べて、畳の上を静かに押し進めます。
  3. 主人側は手に受け、頭を下げて品物は上座に置きます。

椅子のかけ方

  1. 左側または下座(出入口に近い側)に立ち、椅子の背に軽く手を添えます。
  2. 椅子から遠い方の足を一歩前へ出し、近い方の足を円を描くように運び椅子の半歩前に出ます。
    まっすぐ正面を向いて立ちます。
  3. 片足を半分引き、着物の裾が乱れないように後ろを軽くさばいて座ります。
  4. 膝を合わせて両足をそろえます。
    背筋を伸ばし居ずまいを正します。手は腿(もも)の上に重ねて置きます。背もたれに寄りかからず浅く背筋を伸ばして腰掛けます。
    両足のつま先を合わせ揃えます。

お茶とお菓子の出し方

  1. お盆に自分から見て右にお茶を、左にお菓子を置きます。
  2. お盆を下座側の畳の上に置きます。お客様の正面に向けて、お客様から見て右側にお茶を両手でお出しします。
  3. お菓子をお茶の左側に同じ様にお出しします。

お茶とお菓子のいただき方

  1. お茶を出されたら「いただきます」と一言添えて一礼します。
    お茶碗を両手で持ち、左手を糸底に添え、のせて右手を添えます。
  2. 器の模様を汚さないよう正面を左側に少しずらしていただきます。
  3. お菓子は、出された楊枝、あるいはフォークで二口か三口でゆっくりいただきます。干菓子の場合は手で持っていただきます。
  4. 最後にお茶を含みます。口内を清める意味があります。

車の乗り方

  1. バッグなどを先にシートに置き、袖をふまない様に膝の上に袖を重ね、上に両手を置き腰を下ろし、両足を浮かせ揃えて中へ入れます。
  2. 降りる時は、まず両足を揃えて地面におろし、上前や袖に気を付けながら車から出ます。